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ジロ現地レポート2004 by綾野真 第2ステージ
すべてはゴールデンベイビー、クネゴのために

Report
2004.05.12
スプリントではマクギー(エフデジュ)が先行するが
伸びたクネゴ(サエコ)がマクギーを差しきった
思わずVサインが出た喜び一杯のクネゴ
最後の峠で遅れたペタッキを引き連れた集団
最後の峠でパンクして遅れたチッポリーニ
第2ステージは956mのボッコ峠と953mのブラテッロ峠の2つを越える184km。2つの峠の難易度は高くないが、ブラテッロ峠はゴール手前20kmにあり、下ってのゴールとなるためこれをいかに越えるかが焦点になる。

スタート地点となるノビリーグレの近郊、アレッサンドリアはファッサボルトロのホームタウンだ。当然ペタッキに2勝目の期待がかかる。本人は今日もプレッシャーからか表情が暗い。こういう選手も見ていてちょっと面白い。もちろん大スターには違いないのだが…。

序盤よりの逃げはいくつかあったが、勝負どころの最後の峠、ブラテッロで賭けに出たのはサエコのスロベニア人ゴラズド・スタンゲリだ。無名のアシスト選手ながら、いいペースで逃げ集団を抜け出し、独走で峠の頂上へと迫る。

しかし後方ではステージ優勝を狙っているのか、ガルゼッリを率いるヴィニカルディローラが集団のペースを強烈に上げていた。先頭を引くのはトンコフ! ちょっと太めになったかつてのジロチャンピオンは、ヘルメットを斜め傾けながらアシストに徹した走りだ。

このペースアップに集団は長く伸び、我慢しきれなくなったペタッキが遅れる。ペタッキのステージ優勝をあきらめないファッサボルトロは、なんとペタッキに6人のアシストをつけている。でも、ちょっと苦しい展開だ。

時を同じくしてなんとチッポリーニがパンク。これでビッグネームのスプリンター2人が消えてしまった。そしてマリアローザのポラックも、大きな身体に耐え切れずに遅れ出す。マクギーが再びマリアローザを取り戻すチャンスだ。途中の逃げをエフデジュが追っていたのも、この状況を予測してのことだ。

そして逃げていたスタンゲリも頂上まで1.5kmを残して捕まってしまった。この峠を越えさえすれば栄光が待っていたのに…。

頂上1km手前、黄色い一団が引く集団の脇から飛び出したのは、赤いサエコのジャージ、クネゴだ。それに続くようにシモーニも追走。ベルタニョッリらも終結し、黄色はあっという間に赤に変わってしまった。

ゴールへ向かう下りは赤いサエコの列車が先導する。ペースをつくるのはエディ・マッゾレーニだ。マッゾレーニは昨年ヴィニカルディローラのスーパー・グレガリオ(アシスト)としてガルゼッリに尽くした選手だ。トンコフと立場が完全に入れ替わった!?

虹色のジャージに身を包んだアスタルロアも先頭に合流。レベッリンも上がってきた。そしてスプリントへ。最終コーナーを曲がりゴールラインまでは2つの小さなうねりを越えるジェットコースターチックな直線路だ。

マクギーが先行するも、なんと直前50mでもうひと加速したのが赤いジャージのクネゴだった。マクギーもお手上げのスピード。アスタルロアもレベッリンも、軽く交わされてしまった。ビッグネームをことごとく抑えたクネゴ。ちょっと天才的なスプリントだった。頂上からの赤い列車はクネゴのために組まれたものだったのだ。

クネゴ人気は最高潮だ。表彰台でのVサインが22歳の若さをよく表している。ペタッキもチポッリーニもチームメイトに守られるようにして遅れて帰ってきたが、クネゴの大活躍でポントレモーリに詰め掛けた観客たちは大喜びだ。

明日は第3ステージにして早くも頂上ゴールだ。コルノ・アッレスカーレを制するのは誰か。このジロを占ううえでもっとも重要なステージと言っていい。誰が脚があり、ないのか。明日すべてがあきらかになる。

今日のシモーニの走りを見る限り不調ではなさそうだ。ガルゼッリはより調子がよさそうだ。そして、ポポヴィッチに大きな期待が掛かっている。ピンクカンガルー・マクギーに遅れること34秒、総合で2位につける24歳のポポは明日マリアローザを着ることにはなるだろう。

それ以上にシモーニ、ガルゼッリとの差を見極めたい。そしてシモーニはクネゴという切り札も持ったことを証明したことになる。これは大きな脅威だ。

photo&text:Makoto.AYANO

 
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